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2011年2月 5日 (土)

乙女な笑顔のヤミは鍵を持っているか? ToLOVEるダークネス連載第5回

今月発売されたジャンプスクエア(SQ)3月号ではセンターカラーで掲載の、ToLOVEる-とらぶる-ダークネス第5話「Uneasiness~安らぎと不安~」。
今回は先月号ではあまり出番のなかったヤミが中心で話が進みます。

110205yamikan

「ダークネス」では週刊少年ジャンプ(WJ)での連載時では表現できなかった様々なH描写がよく話題に上りますが、個人的にはそれよりもWJでの一話完結スタイルではなかなか描けないストーリーの起伏やキャラクターの心情の掘り下げが読み応えあって嬉しいです。今回はヤミ・美柑・モモ・リト辺りの思いの絡み合いが丁寧に進行する話で、連載開始以来一番よく纏まっている印象です。

さて物語は冒頭、「マスター」が地球に招いたお客人を芽亜が出迎えるところから始まります。
お客人の名は「アゼンダ」。結構立派なプロポーションのオバ…お姉さんです。宇宙では「暴虐のアゼンダ」の通り名で知られる殺し屋さんで、つまりヤミの同業者でライバルというわけですが、かつてヤミとの戦いに敗れて殺し屋としての株が大暴落してしまったそうで、ヤミに対して相当な復讐心を抱いている模様であります。しかし…

「ヤツさえブチ殺せりゃそれでいい」
「期待してろって伝えなよ小娘…くくっ」

いきなりあまりにも親切で分かり易すぎるかませフラグがビンビンですよ。それもそのはずで、彼女は「マスター」が金色の闇、つまりヤミにかっての殺し屋としての闘争心を取り戻させるために差し向けた、言うなればかませ犬だったのです。実力ではヤミに及ばず、戦っても再び敗れるのが筋書きで決まっているというわけでして…合掌であります。

このシーンではアゼンダのセリフの中で「マスター」の名前が明かされています。「メネシス」というのがマスターの名前のようですね。メネシスはアゼンダに対して姿も見せないような取りあえずの雇用関係ですから仮の名前かもしれませんけど。
そしてこのシーンではアゼンダに小娘扱いされてムクれたり、もしリトがヤミに抹殺されたら…とナナの気持ちを思い量るメアの様子も描かれています。メア本人はまだ、闇の世界の住人としての自分に疑問は抱いていないようですが、徐々にリトを巡る関係の輪に影響されてきているようですね。

続けて当のヤミはいまだ正体を知り得ぬ「マスター」から投げかけられた
「君の本質は闇。地球人と仲良くできるはずがない」
という言葉に思い悩んでいます。そこへ現れたジョギング中の校長が喜色満面・セクハラまがいのセリフでヤミをジョギングに誘いますが…案の定、次のコマで哀れにもノシイカのような姿を晒す羽目に。ヤミにとっては校長に言い寄られてシバキ倒すというのが既にレクリエーションの一つになってるようなフシがありますね。直接触れられてなければ無視して去ればいいのにわざわざトランス能力を使って相手をするのですから…。

場面は結城家へ。目覚まし時計の音で目覚める美柑の寝起き姿が!やっぱり美柑可愛いです(*^^*)。着替えのためパジャマを脱ぐ美柑。WJ連載時とは違って、まだ控えめな胸の膨らみの先のポッチリもバッチリ見えちゃってるわけですが、それ以上にベッドの脇の壁に貼ってある写真をチラっと見やるところがグッドです。5~6年ほど前なのでしょうか。公園でリトに楽しそうな笑顔で抱きついている美柑が写っています。まだ「お兄ちゃんお兄ちゃん」とペタペタくっついて回っていた頃が偲ばれて実に微笑ましい。今回、一番気に入った場面です。

着替え中の美柑がふと気がつくと、ベッドの脇のクーファンで寝ているはずのセリーヌの姿がありません。「いつの間に起きたんだろ?」と思いつつ着替えを終えて部屋の外に出てみると、リトの部屋から悩ましげなモモの声が。さてはシッポリと愛欲の行為に励んでいるのかと、小学6年生らしからぬイケナイ妄想に焦りまくった美柑がリトの部屋に踏み込むと、そこではゲームに興じるリトとモモ、そしてセリーヌの姿が。ゲームで遊んでる様子を見たがるセリーヌに起こされたリトとモモが対戦していたのでした。
美柑が自分で言ってるようにWJ連載時の「ハンド&テール」の回でも同じようなことがありましたが、小学生にして兄が淫行中(?)の現場に二度までも突撃してしまうとは、美柑のブラコンぶりもなかなか危険な領域に差し掛かってきてきているようですな(笑)。そんな美柑の胸中を見通しているかのように

(私が応援してるのはお姉様の恋だけじゃないですけどね。あなたも例外じゃありませんよ)

と心でつぶやくモモ。マジで妹の美柑でさえもリトのハーレムに入れる気満々のようです。モモ危ないよモモ(^^;

この後、シャワーを浴びながらヤミとの距離に思いを巡らせるモモ、鏡の前でモモのブラを手に自分の胸を気にしまくっているナナ、そして彩南高校に舞台を移して、ヤミにちょっかいを出す相変わらずのリサとミオ、WJ以来初めてセリフ付きで登場してリトとイチャつこうとするルン、それを嫉妬心メラメラで咎める唯、間に入ろうとして例によってお静の介入でリトのラッキースケベ発動のエジキとなる春菜と、いつものメンバーが入れ替わり立ち替わりでToLOVEるらしい日常のトラブルを演じていきます。

読む人によっては多少蛇足っぽさを感じる事もあるかもと思える場面ですが、一回分の掲載の中でも様々なキャラの出番を盛り込めるのは、月刊誌での連載でページが増えた恩恵だと思います。それにここは別に取ってつけたような無駄な場面ではなく、リトを取り巻く喧騒を横目に自分の身の置き場所に悩むヤミの心情描写に繋がっているわけですね。

楽しそうな様子のリト達に対して自然と壁を作ってしまう自分に戸惑うヤミは、美柑の通う小学校の前に現れて下校中の美柑を誘います。ここではランドセルを背負った美柑が新鮮です。第1話でも1コマだけランドセルで登校する姿が描かれていましたが、ダークネスではランドセルが美柑の標準装備になったのでしょうか。WJ連載時は記憶する限り美柑がランドセルで登下校する描写はなく、もうランドセルは使い潰しすかどうかして卒業したのかと思っていましたから、この変更は作者の矢吹・長谷見両先生としてはどういう意図があったのか興味深いです。

話を本筋に戻しまして、ヤミに誘われ公園でタイヤキを食べながらお喋りをする美柑。ヤミに聞いてもらっているのは、もっぱら最近リトにベタベタするモモの不可解な行動についてのようです。美柑にとってはヤミがこういうことを相談できる唯一、気の置けない相手である事を窺わせる場面ですね。一方のヤミも「美柑と一緒に居る時は心が安らぐ」とモノローグで語っています。そしてヤミが落ち込んでいるのを察する美柑、いつも美柑に心を見透かされる事に驚くヤミ、お揃いのタイヤキのキーホルダーをヤミにプレゼントする美柑…と、二人の仲良しぶりが描かれていきます。しかしヤミはキーホルダーを付けるような鍵を持っているのでしょうか。別に鍵に付けなきゃいけないって事はないですが(^^;

そんな仲良し姉妹のような二人の様子を遠くのビルの上から邪気をたたえた瞳で見つめるアゼンダの姿が…。

美柑と別れたヤミは今度はリトと出会います。第1話あたりではちょっとヤミに対して緊張しているところもあったリトですが、今回はこちらも全く気が置けない風ですごく自然に話しかけていきますね。第1話では連載開始の掴みということで人物関係のおさらいの意図もあったと思われますから、今はこちらの描写の方が本来の距離間でしょうね。

美柑の話し相手をしてくれた事にお礼を言うリトに対し、ヤミはかつてないほど本音の心情を吐露します。

(ずっと闇の世界で手を汚してきた自分が幸せになってはいけない。そんなのは私には似合わないのではないか)

メネシスの呼びかけに揺り動かされる心境を、自身も『美柑にも話さなかった事なのに』と驚くほどストレートに打ち明けるヤミ。ここではリトも相当戸惑ったと思います。目の前に在るのはそれまで接してきた、感情表現に乏しいスゴ腕の殺し屋ではなく、生きる場所を見失いかけて寂しさも哀しみも隠さずにもがく、同じ人間の少女の姿なのですから。

ここで極めて不器用なリトは、

「難しく考えなくていいじゃないか。やりたいようにするのが一番だ」

と、単純な、それ故にヤミの琴線を振るわせる言葉で応えます。少なくとも地球に来てからヤミのしてきた事はヤミ自身にも美柑にも良いことだったはずだから、と。

「やりたいようにするのが一番。それなら私いまあなたを殺したいです」

ヤミの言葉に仰天して焦るリトに一言

「…嘘です」

これまでにない極上の笑顔をリトに向けるヤミでした。ここが今回のハイライトでしょう。かってこれほど感情豊かな笑顔を見せたヤミはありませんでした。もしモモが見ていたら「これでハーレム計画に問題なし!絶好調!」と狂喜乱舞したことでしょう。ヤミとリトの仲を応援するファンの方々にとっても堪らん瞬間だったのではないでしょうか。

しかぁ~しっ

そんな至福の時に割り込む無粋なお方がいらっしゃいました。あの「暴虐のアゼンダ」さんです。にわかに険しい表情に変化したヤミがリトの襟首を引っ張るようにして共にその場から身をかわすと、そこへスクーターやら道路標識やらが突っ込んで来ました。アゼンダは念動派(サイコキネシス)と鞭を武器に戦う殺し屋だと、かっての敵の姿を目にしたヤミがリトに説明します。その念動力はお静が使うほど強力なものではなく、鞭を使う戦闘が主なスタイルだと。

自分の変身(トランス)能力の敵ではないと動じないヤミですが、「威力は高くなくても精度の高さが自慢」とはアゼンダさんの言。次の瞬間、またしても我々はかってないヤミの表情を目撃することになったのであります。アゼンダさんが指を「くんっ」と動かすと夜の闇を割って跳ぶように現れたのは、意識を失って念動力で操り人形のように動かされる美柑!

愕然とした顔を隠さず激しく動揺するヤミ。いったいどうなる!? 待て次号!
…というところで第5話はお終い。

戦いに巻き込まれた美柑がすごく心配な私ですが、黒幕の狙いがヤミである以上、いつかこういう状況が来るだろうとは思えましたね。

で、次号の展開がどうなるのかですが…取りあえずヤミの身の安全については心配する状況ではありませんね。マスター・メネシスの目的はヤミを殺し屋としての本分に立ち戻らせること。その為のかませ犬としてアゼンタを差し向けているわけで、アゼンダが本当にヤミを倒してしまっては困るわけですから、メアが何処かで戦いを監視していてヤミがアゼンダの作戦に屈してしまいそうなら秘かに介入して美柑を解放しヤミに勝機を与えるのではないかと思われます。

ただ、それだと犠牲を厭わず敵を倒す殺し屋としての闘争心を復活させる目的を果たすには遠回りになってしまいますから、メネシスはメアには静観させるかな?その場合、アンジュラの時のようにモモの加勢という事も考えられますね。モモは何よりリトにとっての危険を排除しなければなりませんし、ストーリー展開上、ヤミとの距離を縮めるキッカケとして描かれるかもしれません。

いずれにせよ、アゼンダさんはボコボコにされて這々の体で地球から逃げ出す様しか想像できないわけですが、問題はヤミの心のフォローですね。地球に留まることに悩んでいたところへきて、親友の美柑を巻き込んでしまった事はショックが大きいでしょう。地球を去り、かっての殺し屋としての生き方に戻る方向に大きく振れてもおかしくありません。そこをどう思いとどまらせるか…。

私に考えられる展開としては、次号以降もこの流れでシリアスに引っ張るならば、メアの介入でアゼンダを撃退し、ヤミに地球を去らねばならないと思い込ませる。次号でこの件は円満解決させるならば、モモやリトの助力でアゼンダを撃退し、二人の説得で地球に留まる決心をする。ヤミは戦いに巻き込まれた当事者である美柑に何を言われても翻意はできないでしょうから、そのへんはリト達の出番ですね。私はToLOVEるのキャラがあまりツライ顔をしてるのは見たくないので、アゼンダ撃退で今回の騒動はスパっと終わり、というのを期待したいところです。

個人的にはリトがアゼンダ撃退の立役者になると面白いと思うんですけどね。それは幸運の成せる業でも良いのですが、メネシスやメアが勘違いでリトの力を過大評価してしまい、リトをヤミの側から排除する為にさらに強力な殺し屋を差し向けてくるという…。リトがブレイク・エドワーズ監督のピンク・パンサーシリーズに出てくるクルーゾー警部みたいな感じですな(^^;
美柑を利用されてキレまくり必死で戦おうとするリトも見てみたいところです。

今回はサンクリ新刊の入稿済んだばかりで少し余裕あったのでずいぶんダラダラと長く書いてしまいました。全部読んで下さった方、お付き合いに感謝します。それではまた来月。

P.S
2/19発売のジャンプSQ19に番外編「0話」が載るのですね。次の感想は来月ではなく、たぶん今月中にもう一度ですね。

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